90日コーチング1回目のセッションがありました。申し込んだ動機は「仕事をもっと…」ということでしたが、それはクライアントさんが今わかっているどうにかしたいことであって、本当に取り組む必要があることはまた別のところにあるもの…と思いながら、ありのままにお聴きしていきました。

 事前に質問集をやっていただくのでそれについてどうだったのか? と言うところからです。

「未来を描く質問が難しかったです」
「なるほど。問いかけられることが少ないからわかっていないっていうのもあるでしょうね…」
「そうですね、あまり質問されることはないですね。そういえばLa La Land観たときに、二人が夢があって・・・・という話の内容は理解できましたが、自分には夢とか考えたことがないから、もし自分も夢があったらもっとわかるだろうになと思ったんです」

 そのまま先に進み、クライアントさんが答えられてた「やろうと思っていてやってないことリスト」のほうへ進みました。10リスト書く余白があるので、思いつくままに10挙げられたそうです。

「ここにあるもの、電話すれば済むものとかも多いですよね」
「あ、そうですね・・・。でも余り家にいないのでいつにしようかなとか」
「家にいる日にすればいいですよね。余り家にいない人って結構いると思いますから、業者もフレキシブルに対応してくれているはずですよ」
「そうですね」
「自分でこうかも、と決めてしまって、やるのを辞めることが多そうですね」

 30分くらいの対話でクライアントさんの傾向がだんだんと見えてきました。今、テーマにしたいことよりも「そもそも毎日の決断」について、もう少し考えていくことにしたのです。

「普段から決断力がないと未来は描けませんよ。決断力があれば、未来も決断できると思えるから、描けるんです」
「堂々巡りになって、考えるのを辞めてしまって、先延ばしになってしまうこと多いですね」
「そこは変えたいと思っているんですか?」
「思っていますね」
「普段の生活の中で決めることを意識していくことですね…。今決めることができていることってありますか?」
「仕事先では決めることはできますね」
「なるほど。仕事が絡むとか相手が絡むとか、他人のことは決めることができる。なのに、自分のことになると決めることができない傾向ですね。自分を大切にすることが、90日コーチングの大きなテーマですね」
「そうか。ショックですね・・・。自分をないがしろにしていたとは、気づいていませんでした」

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 40分くらい話して、根本的なところが見えてきました。私がいろいろと質問をしても前半は沈黙がとても多かったので、その理由は普段から自分はどうしたいのか? 考えることを先延ばしにしていることが理由だったということです。

「一緒に住んでいる親戚がいるのですが、遠慮してしまっていろいろと動かしちゃいけないとか、捨てちゃだめだろうとか、我慢しているところも多いですね」
「そういった場合は、相手のほうを尊重しよう、って決めるんですよ。動かせない石を動かそうとすることに必死になるのではなくて、動かせるものを動かしていけばいいんです」

 どうにもならないことに関してどうにかしようとしていて、やっぱりどうにもならなくて、どうにかなることも、併せてどうにもならないことになっていたようです。

 クライアントさんに「服選びや休日の行き先」など、自分で選ぶことができるものを意識していくことを次回までの課題にしました。何が楽しいのか? など、感性のセンサーも弱まっているようなので、「わかりやすく感動するもの」に特に触れるようにすることがいいかもしれません。

「『ベニスに死す』みたいな、深すぎる映画はダメですよ。あれは上級者ですから。(笑)」
「あはは、私もあれはわかりませんでしたね。そういうの以外ですね。(笑)」
クライアントさんにようやく笑いが戻ってきました。

・自分が決定できるところを明確にすること。
・自分の決定をしていくこと。
・わかりやすい感情が動くものに触れること。
・片付け、やっていないことリストを片付けること。

 まずはここからです。90日コーチングでどうなっていくのか? 初回から衝撃的でしたが! クライアントさんの感性がよみがえるのではないでしょうか!