自分探しのために色々な場所、お稽古、旅行などを試してみたりする時期もあるかもしれません。でも、なんだかピンとこないときがやがて訪れて、私は一体なにをしたいの? となる人も少なくありません。

 クライアントさんもそのようのな状況に突入し始めていました。行く先々では、素敵な人、物、考え方に触れて、またそこから紹介をしてもらえて、また次の出逢いが訪れて。でもこれは、流れに乗っているのか、流されているのか? 「あなたは何ですか?」というシンプルな質問に答えられなくて愕然としたようです。


「今の行動が、未来の何につながるのか?」そんな風に迷う時もあるのかもしれません。
色々と話を聴いていると、「自分にこれがあうのか? 自分にメリットはあるのか? 自分は好きかどうか?」と、自分の感覚を確かめるような、そういう物の選び方をしているということが見えてきました。
 また、クライアントさんが素晴らしい人に出逢っても、「今の自分だとその出逢いを生かしきれない…」と思って、終わるパターンもあったそうです。人によっては「自分は生かせないけれど、他の人とをつなげよう」と、人のご縁をつなげようとする人もいるでしょう。自分は…で終わってしまうのはどうしてでしょうか?

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 その先へ対話を進めていくと、なかなか見つからない根本的な理由が見つかったのです。それは、フォーカスするところが、クライアントさんのやりたいことと、今クライアントさんが行動していることが、180度違うことになっていたのです。頭では過去、問題。心は未来と可能性だったのです。学者は過去にフォーカスしますが、クリエーターは未来にフォーカスします。そんな違いでもあります。

 爆走というか、逆走していたのです。唯一私のセッションでしていることは、クライアントさんにとって「心」が望んでいるほうのことをしていました。知ってよかった、楽しかった、という浅い感動よりも、深いところから、衝撃的な気づきをもたらすものであると思います。

 次のセッションまでに、チューニングが必要そうです。日々の生活を通して、自分のフォーカスしたいところをしっかりと感覚に落とし込んで、本当に自己投資したいところ、時間を割きたいところに、自分の生きている時間を費やすことを考えてもらうことになりました。

 なんだか、映画『YESマン』のようです。NOばかり言う主人公は、運が悪いことばかりが起こっていましたが、ある強烈なセミナーに出てから、強制的にYESと言うようになって、どんどん人生がよくなっていきます。しかし、考えないでYESばかり言っていたある日、トラブルに巻き込まれてしまうのです。そのときやっと「どれが本当のYES」であるか、ようやく感覚で分かっていくというストーリーです。



 クライアントさんにとって、YESと言い続けて行動に勢いをつけることも必要で、これからが、本当の選択ができるようになるのでしょう。このセッションでは、クライアントさんの心が本当に見つけたいものは何であるか? ということが言語化できました。これからは、もう迷いませんね!