セッション準備用紙を読んで、すぐに気づいたことがありました。普段でしたら、近況などを話してもらうアイスブレイクから入るのですが、いきなり本題です。

「アウトプット不足ですね。せっかくいろいろと勉強したり、やっているのに、もったいない脳の使い方をしていますよ。アウトプット先を先に決めてから、インプットすることが効率がいいんです。英語の発音について教えているYouTubeの講師が、ホワイトボードに『INPUT OUTPOT』と書いて説明している動画を、最近見たんですよね。英語でもアウトプット先がある人のほうが上達するって言っていて、そうだなと」

 クライアントさんは難関の試験に毎年チャレンジしているのですが、普段の仕事では使わないことを勉強しているというのも、ずっと気になってはいました。ご本人も「やっぱりそうだよな」と薄々気づいていた部分でした。実際に仕事で使っている人のほうが、きっと頭にも入りやすいでしょう。

 セッションをしていて、個人事業主の人は変化が速いです。というのはすぐに実践の場があるからです。お勤めをしていると、仕事外で自分のやりたいことをする時間を確保するわけで、例えば仕事以外で3時間使える人と比較すると、個人事業主はその6倍くらい使えるのです。なので、もっと意識しないと流されてしまうのです。

 私がコーチングの習得がスムーズだったのは、部下にすぐ使えたからです。その日教わったこともうを、部下に使う速度です。クライアントさんは、インプット→アウトプットの距離がとても長いのです。インプット→アウトサイクルができている人は、インプットとアウトプットがほぼ同時なのです。

「今勉強したことを3年後に使います…みたいになってますね。それでは身に着きにくいでしょう」とフィードバックしました。クライアントさん、ハッとされたようです。

 インプット過多になっているひとのほうが、ほとんどじゃないでしょうか。今日習った英会話のフレーズを、自分でわざわざシュチュエーションを作って、使うべきなのです。アウトプット先というのは、自分で創らないといけないのです。ボイトレの発表会も、私が企画しています。これは、自分の歌を上達させるための一つの方法なのです。先生が発表会を企画しないのなら、生徒が企画すればいいってだけです。自分で機会は創りましょう。

 インプットアウトサイクルが出来上がると、不思議なことが起こります。数時間後にアウトプットすべきことを、先に引き寄せているのです。昨日読んだばかりの本が、今日のクライアントさんに必要なものだった、ということも多いです。たまたま直前に学習したことが、テストに出るとか、そういうこともあります。2年前、ロンドン短期留学へいったとき、レベルチェックテストで、直前に英会話のインストラクターが教えてくれたフレーズが出ました! 前日に教わったことが、使える場が用意されてしまうのです!これは上級者ですね。

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 セッション後、恒例のレポートをいただきました。これは今クライアントさんのなかで、一番インプットとアウトプットの時間が短いものの一つです。この習慣を、すべての場所で応用することです。


0分---------------

 セッション開始前に資料を送るが、それを見ながら「循環が悪いですね〜」と。確かにアウトプットが不足している。勉強は、独占業務だから資格がないと出来ないことが多い。英語は、仕事で使うことも少なくなり、機会は映画とDMEレッスンくらい。音楽は、基礎やコピーやってるけど。ライブ機会は減った。
「もっと日常にアウトプットする場の広がりがあるとよいですね」。「なんだったら、最初から外に出す場を用意してから、やるとかどうです」と、最初から「もったいない感」をなくす取組みが出てきた。
「いろいろやってみるのもいいけど、やりすぎると自分から逸れちゃいますから」ほかの人の例を聞く。成る程、自分の中心/やりたいをセットしておくのか。


15分----------------

「大阪でセミナーやったとき、凄いメモを取る方がいてシェアしてもらったんですよ」
「シェアしたり、知らない人に読んでもらったり、読んでもらって良かった!と思ってもらえるように、アウトプットする前提でいると、気になる点とか疑問とか出てくるんですよ」
そこの点は自分で大きく、気にしていた事だった。インプットはしているが、血や肉になっている感じがしなく
”薄っぺらい/浅い”感じがしている。

個人事業主とは、インプットとアウトプットの間にある距離/時間が違うみたいだ。一旦、自分の引出しに入れて、出番がある時を待つのか仕入れた事をすぐ使ってみるのか。他にもあったが、スピーディーさや試そうとする感覚を思っているよりもずっと短くしないといけないようだ。そこに使える時間が会社員は少なくなりがちだから、もっと意識する必要がある!

30分------------------

話題の緩急がついて、英語の話になる。どうも、クライアントさんのなかで、オンライン英会話がはやってきているらしい。(その内の1人だけど)クラスは違うけど、進め方自体はそう大きく変わらないが、自然とアウトプットネタに引き寄せられていく。

「やり始めたら、すぐに使う機会が増えてきて、そのためにまたインプットして・・」
「そんなもんですよ。自分で仕事している人たちは」
「3年後の為に、勉強しているんじゃないですから。すぐ使うためですよ!」
 (今日一番効いたな、コレが)

45分-------------------

ただ自分の中でも、今の状況でやってないのは、アウトプットと薄々感じていた。
いくつか助け舟を出してもらって、やるべき案をもらう。
「例えば、良いことを教わったらすぐに書く/使うとか」
「いっその事、出す予定のない事はやったらダメです!」
「そうすれば、色んなところに広がりが出てきますよ。」など、ネタをもらう。一方で自分自身に不甲斐なさを感じると共に、この状況から脱却しなくてはと危機感を大にする。

そんな風に生活していると、ネタが向こうからやってくるらしい。実際に今日の会話でも、いくつか早速使ってるとか。上級者テクらしいが。まずは、自分の外に出していくこと、少しでもやっていくことが重要。


60分-------------------

次の予定を立てるが、2017年となるが、自分は「なんか・・やった感がないです。」と伝える。
「やってはいるんですけどね。やったというか、場所が変わったとか、そういう変化でしたよね。来年は、実際に人のためにやるとか、能動的にアウトプットする場を持つともっと激変するのではないでしょうか」と2017年の目標ができ、セッションが終了した。

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 アウトプット先ありきのインプットができるようになると、引き寄せの達人にもつながるのです。2016年最後のセッションで、クライアントさんに最も必要なものを、発見できたようでした。