「片づけが苦手なことについて」がテーマのセッションでした。しかし、だんだんと脳の使い方の話へ進んでいきました。

 自分とは対照的に、周りにはすぐやる人がいらっしゃるようです。違いとして見えてきたのは、クライアントさんは「メモを書く」けれど、すぐやる人は「メモを書かない」ということでした。私もメモを書きません。TODOリストも、行動計画も書かないタイプです。思いついたことからどんどん片づけていくので、やることリストはあまり必要ないです。私の手帳は、「何時 セッション」としか書いていないです。必要なメールの返事はすぐにするか、考えるのに時間を必要とするものに関しては、感覚的に返信したかどうか? で把握しています。

 「メモ」の話から、普段の脳の使い方の話に発展していきました。
 クライアントさんは、仕事場で仕事を頼まれるとき、上司が「あれと、あれと、あれと、あれを持ってきて」とメモに書く時間の余裕がないほどパット頼んでくるようで、困っているそうです。人によっては、メモに頼らずとも、相手の言ったことを頭でビジュアル化して、覚えてしまったり、聴いた感覚で覚えてしまえたりすると思うのです。

 クライアントさんは、どちらかというと「メモに頼るタイプ=活字に頼りすぎて、イメージ力をあまり使っていない」のではないか? ということが見えてきました。

preview 私は、9年前くらいにフォトリーディングのセミナーへ行ったときに、自分の脳みそをフルに使えていないことに気づきました。例えば子供は、まだ文字の読み書きができないというのに、言葉を覚えてしまいます。ゴールデンエイジかもしれませんが、同じ人間として、大人ももっと感覚を使えるのではないかと思ったのです。

 私こそ、メモタイプの人間でした。しかし今は、コーチとして聴力が鍛えられてきましたし、アパレル時代は、視覚(コーディネート)や触覚(売り場作り)が鍛えられ、自分の元から得意な方だった言語化するということをブログを書くことで鍛えてきた自負があります。人間は5%しか脳みそを使っていないというところを、きっと6%にはアップできたんじゃないかと思います。得意不得意よりも、バランスよくなったらもっと人生が楽しくなると思っています。

 クライアントさんは、大人になってからピアノを再開したそうですが、もしかしたら「楽譜通り」に弾いているのでは? と聞いてみたところ、「そうかも!」とおっしゃっていました。文字情報に頼りすぎると、曲の情緒的なところの表現の可能性が未開拓のままかもしれません。

 想像力が欠けてしまうと、頭打ちになることも早くなってしまいます。クライアントさんが、何も仕切りのない空間をどう整理しようかと考えだしたそうなのですが、そこに何を入れるか? をシュミレーションしては、ダメだ・・・となり、挫折しているようでした。

 その話を聴いて私は、「考えるのを途中でやめているというだけで、挫折ではないですから。(笑)」と突っ込んでしまいました。もし私ならば、まずその空間にあう収納ケースから選ぶでしょう。きっと収納ケースを見ながら、「そうだ、あれを入れよう」とイメージが湧いてくるはずです。

 「考えたけど、ダメだ」というのは、実は一方方向でしか考えていないのかもしれません。他に脱出できる方法はあります。出来る方法や、もっと簡単になる方法はないかと考えてみること。行動のハードルを低くするアクションを考えてみることもできるのです。そういう思考をコーチである私はサポートしているのです。

 初セッションで、クライアントさんの考え方の傾向が、「片づけが苦手」というところから色々と見えてきました。 
 活字情報に頼りすぎると、イメージ力が衰退してしまいます。メモをとらなくても、その言葉をイメージに置き換えるだけで、2Dから3Dに立体的に見えてくるので、その先どうするか? がもっと浮かびやすくなるのです。
 
 イメージ力が強いと、行動へ進みやすくなり、願望が実現しやすくなります。イメージとして浮かんだものは、面白いようにすぐに見つけられるのです。イメージ力を鍛えることは、メモにするよりも、「画像で想像する」という、日々のちょっとしたことでも鍛えられます。鍛えない手はないですね。