現在の仕事よりも、本当は自分の勉強してきたことを仕事としてやっていけたらいいなと思っているけれど…という単発セッションでした。
 事前にテーマにしたいことを書いて送ってくださっていましたが、幾つかテーマにしたいことが分散されているので、もう少し絞った方がいいのか? など心配なさっているご様子でした。私は、「話しながら絞れてくるのでで大丈夫です」とお返事しました。

 さて、単発オンライセッション当日です。他の仕事をなかなかやめにくい理由などもあるようでしたが、30分くらい背景のお話を聴いてから、「やりたいことを実現するためには?」の方にフォーカスしていきました。

 最近、ご自身で「はっ」と思ったことがあったようです。
「プロですもんね」と人から言われたときに、反射的に「いえいえ」と謙遜したら、「え? そうなんですか?」と相手がびっくりしたようです。そのときに、「プロです」と自信を持って言えていない自分に気付いたそうでした。そのセルフイメージが、色々と勉強をしてきたことを仕事に生かせないことにつながっているかもしれません。周りの人には「お客様とればいいのに」と言われるけれど、いつも足りない気がしているようでした。

stockvault-lonely-flower133148 (1) 私は、「やればいいんだよ、と言われても出来ない理由は?」と質問してみました。すると、自信の持てない部分が、言語化されていきました。

 まず、「伝え方に悩む」というのが、大きな理由のようでした。
 私が、「伝えるスキルを磨けばいいですよね」と言うと、「磨けばいんですね」と、初めて気付かれたようです。

 セッションをしていて、「スキル」の問題で止まっている方は少なくないです。
 まるで、役者になったのに「演技が下手だから、その役はできない」と言っているのと似ていると思います。下手に感じているのなら、演技の勉強をしていけば、もっといい役をGETできるかもしれないでしょう。それがプロ意識につながるのではないでしょうか。

 私も、もっとうまく書けるようになりたいと思って、出版社の編集の方にコーチをお願いしていたこともあります。小説の書き方のハウツー本も何冊か読みました。実際に文章が上手い人の文章を分析してみたり、クライアントさんと共同で作っている小冊子は、人の文章を添削する作業を通して、かなり鍛えられてきたものです。

 「できないから〜」で終わらせず、スキルを身につければできるようになるのです。自分の強みをもっと輝かせるために、プロとしてのスキルアップは欠かせないと思います。

 次に「プロ意識を持つ」ことについて話が出ました。自分の気持ちがすぐ顔に出やすいところがあると、周りの親しい方に言われることがあるそうです。
 仕事で必要なことは、自我を消すことです。自分がプライベートで落ち込むことがあっても、お客様に対しては笑顔で接することが仕事だと言うことです。
 私は、「スマイルが出来ないね」とマクドナルド時代に言われていました。あるとき、スマイルができるアルバイトに「どうしてスマイルができるの?」と質問をしたら、彼女は「無愛想なお客様ほど、笑わせたい」と言ったのです。そのとき初めて、「自分がどう笑うか?」ではなくて、「お客様に笑ってもらうため」と言った彼女と自分とのフォーカスの違いに驚き、プロ意識の差を感じました。

 クライアントさんのもう一つの問題は、「色々と興味が散漫になるところがある」ことに困っているようでした。そんなときは、とりあえず行ってから決めるようにするようです。しかし、まだ散漫な感じは続いているようでした。
 「自分の興味」というフォーカスから、「お客様にとって必要だから学ぶ」というところにフォーカスを変えてみることを提案しました。
 「こういうお客様を相手にしたいから、この講座が必要」と思うところにお金を使うということです。そうすると、使ったお金は返ってくるでしょう。

 「どんなお客様がいいか?」を考えてみることは、ビジネスで必要な視点です。私は、傾聴の講座は2つしか出ていません。自分のお客様に必要と思ったものにフォーカスして学んだのです。自分が対話の相手になるお客様へ役立つスキルを備えていればいいのではないでしょうか。そのほか専門のことは、専門の方に任せることができればいいと思います。


 自信がないところは、スキルを磨いていくこと。ビジネスを考えるなら、自分の興味や思いつきというよりも、どのお客様を相手にしたいのか? を明確にして、その方に役立つものにフォーカスして、学びを深めていくことです。

 フォーカスが定まることで、理想は現実になっていくのではないかと思います。