「目標がなくなっているから、元気になりたい」というテーマのセッションでした。90日コーチング3回目のセッションです。セッションの後は、行動的になり元気になるようですが、また段々と職場の雰囲気に飲みこまれ、元気がなくなっていく…そんな状況を繰り返しているようにお見受けしました。

 「何もしていない私はダメ」「そもそも異動した部署は向いていないのではないか?」「何を提案してみてもうまくいかない」「どうしたら自信が持てるのか? 認められたい」とネガティブな気持ちを抱く日々のようです。

j0431223 「どうしたら自信が持てるのか?」。
 クライアントさんの考えている自信について、まずは訊いてみました。すると、「人と違う視点で物事を上手くやることですね。大体、異動して1年は慣れなくて、2年目になると段々と慣れてくるので、後半年は我慢ですね…」とおっしゃいました。
 クライアントさんの話している内容から、「仕事で成果を上げたら、自信がついてくる」という見方にも感じたので、さらに突っ込んで質問してみました。

 「もし、仕事で成果を上げたいならば、そういうセッションもすることもできますけど、どうしますか?」と。
 「でも、成果を上げることではない気がする」と返ってきました。クライアントさんの本音では、自信を持つことは、結果を出すことでもなさそうです。

「自信を持つことについて、何が必要なのでしょうか?」

「どうしていいわからない。どうやったら成長するかわからない」

「なにをもって成長したと言えますか」

「人間関係においての成長が必要だと思っている」

「今は100%中どれくらいの出来ですか?」

「今は60%です」

「あとの40%は?」

「責任感のない人、怒鳴る人をどうにかしたい。でも、相手を変えることはできないし…」

「そうですね。自分の命の時間をそこに割くよりも、やる気のある人に関わる方がよさそうですね」

「でも、自分の自信がない。何をやっても報われないし」

 どこにクライアントさんの本音があるのでしょう? クライアントさんの使う言葉から、さらに深める質問をし続けて行きました。セッションの時間は50分くらい経過していました。

 ここまでの話を聴いて、「人に流されすぎ」であることが、自信のなさにつながっているようにも感じました。「目標を持ちなさい」と言われても、目標を持たなくてもいいとおもっているのなら、それでもいいのではないでしょうか。

 実際、ある資格試験において、クライアントさんだけが受かったものがあったそうです。そのとき、「目標として掲げた人は不合格だった」とクライアントさんがおっしゃっていましたが、クライアントさんは、周りとは違った取り組みを入れたことが、合格へつながったようでした。

 周りの人の方法よりも、自分なりの方法を信じることが自信につながるのでしょう。自分に嘘をつかないことが、自信につながるのです。周りがどんなに反対しようが、自分の信念で向かった先で、失敗したことは、きっと意味があったと自分の学びに変えることもできるでしょう。つまり、ただ信じたことをやるのみです。

 「こうした方がいい」というものに流され続けていたら、自分の答えを見失ってしまうのではないかと思います。だけど、知らず知らずのうちに、そういうものに流されていることに気づかないでいる人は少なくないだろうと思います。

 周りと価値観が違うと、自分の歩み方に自信が持てなくなることも少なくありません。そういうところから、離れる勇気も必要だと思います。自分の道を信じて歩んでいる人に出逢いたいと願ったり、自分のいい予感のする方向へと選んで進んで行く自由もあるはずです。自分で自分らしさを出せる環境を選んで進むことも大事なことだと思います。



 
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