「余裕を持って生きることについて」というテーマのセッションでした。継続して1,2か月に1回、対面セッションをしているクライアントさんです。もう3年目くらいになるのですが、本当に色々なことがありながらも、乗り越えられてきて、どんどんスッキリされてきている印象です。

 クライアントさんは開業されている方で、お客様もひっきりなしで来られているのですが、「日々時間に追われて、あくせくしている」ことで、自分をケアする時間もあまりもてていらっしゃらないようです。医者の不養生かのように。

 自分の体をケアする時間を持ったとしても、「あれだけやったのに、まだこれか」と、やればやるほど、気分が落ち込んでしまうようなのです。なんだか、自分を痛めつけているようなセリフです。

 私のライフコーチの仕事はとくに、「実際にコーチがどんな生活をしているか?」が、コーチを依頼するかどうかにあたって、見極められるところのような気がしています。
 私がクライアントさんに「自分を大切に」と言いながら、部屋の中が片づけられていないとか、不健康だとか、お肌の調子が良くないとか、運動をしていないとか、そんなことになっていたら、ライフコーチとしてあまりよくない状況です。

umi「ひとみさんは、何でそんなに余裕のある感じに見えるんですか? 僕と何が違うんでしょうか?」

「自分に優しくすることだと思いますよ」

「わっ、それだ!自分に優しくないわ…。もっと、やれやれ、となりがちで、自分をどんどん痛めつけている感じですね(爆)」

「それと、焦りから行動することないですか? あくせくしているというのは、何かに焦っていて、焦りからの選択をいろいろしていることも少なくないと思いますよ。焦りからモノを買ってしまったら、無駄金を使ってしまうことになりますし。金運を高めるには、出口をふさぐことも大事ですから、見極められる自分になることで、心の余裕にもつながると思います」

 クライアントさんは、ズバッと心に刺さったようで、思い当たる節が頭に浮かんできたようです。
 今までは、「また、焦ってるな・・・」で思考が止まっていたところを、「心にも余裕を持って生きていくために、どのようにしていくのか?」考えました。

 今回のクライアントさんのように、繰り返すパターンに気づいて、「あーあー」と止まっていて、その先どうアプローチを変えていくか? 考えを進ませていない方は、少なくないと思います。セッションでは、いままでのパターンを変えるための「新たなるアプローチ(行動)」まで考えるので、クライアントさんは、変化できるのです。変わることは、そんなに難しくないと思います。


 「ああ、また焦ってるな」と気付いたところから、「これは本当にやりたいこと?」「焦りから選んでない?」「恐れから選んでない?」「本当に必要?」問いかけるようにします。

 また、現状を把握するために、「やらなくちゃ」と思っていることを、アウトプットしてみて、焦りからの選択、本当に必要なのか? 本当にやりたいのか? を見極めていくことで、整理がつくでしょう。
 モヤモヤっとなんとなく抱えているよりも、アウトプットしてみて、それを見極めるだけで、心も安心するものです。その安心感が、余裕も生み出すのだと思います。コーチングの時間で、「現状を把握する」ことは、いつもすることなのですが、これが、理想へ向かうための1歩として、とても効果があると思っています。

 やることを見極めていくと、結構やらなくてもいいことも発見されてきてしまって、暇になってしまったこともありました。(笑)1日に1,2個ものすごく集中できて、それが365日続いた方が、1年間がすごく充実すると思います。

 次に、「何のために焦っているの?」ということについても、吐き出してもらいました。

 「休んでいる自分はいけない」という思い込みが見つかりました。本当に休んではいけないのでしょうか? きっと心に余裕のある人は、家で、ゆっくりドリップコーヒーを淹れたり、休暇も楽しんでいるのではないかと思います。
 余裕のある人になりたいのならば、今日からでもコーヒー豆から挽いて、ドリップコーヒーを入れ始めることです。これは、実際に私も試したことがありました。私も焦りから行動をよくしていた人です。習慣をどんどん変えていきました。その結果、今は別人です。

 心に余裕がありそうな人がする行動を習慣にしていったのです。
 南の島でのんびりする。入荷まで5カ月待ちの自転車を購入。入荷まで4ヵ月待ちのソファーを購入。毎朝イオンスチーマーを施す。朝からオーブンでパンを焼く。毎週フローリングを磨くなど。

 やったら、とてもリラックスできそうなことばかりなのに、その頃、せっかちだった私にとっては、無理矢理習慣を作っていったかんじでした。
 
 「最高のコーチングをする」=「自分をバランスよく整えること」ではないかと、4年前に立てた仮説は、私にとって正解でした。久しぶりにセッションを受けたクライアントさんに、「以前のセッションと比べると、腑に落ち具合が断然今の方がすごい!」というようなご感想をよく頂きます。
 人に1対1で何かを施す仕事は特に、自分を整えることに目を向けることで、お客様の満足度をアップさせることにもつながるのです。


 「自分に優しくする」ことについても考えていきました。

 自分に優しくするとき、「自分の心の声」と「自分の体の声」を聞くことが大事です。ときには、心が先に負けて、「今日はランニングしなくていいか…」となるのは、自分に優しいというよりも、ただ怠けているだけです。そんなとき、「体はできそう?」と体の声を聞いて、大丈夫だったら、ランニングをするほうを選ぶのです。理想の自分へ自分を導いてあげます。

 また逆に、本当はやりたいけれど、体が悲鳴をあげていたら、「今日は体が疲れているから休もう」という方を選ぶようにします。体が悲鳴をあげているのに、行動すると、心が壊れていく人もいらっしゃるので、体が無理をしないことは大事です。

 「あくせくしている」「焦っている」ところを変えたいと思っているのならば、心に余裕がある人がしていそうな習慣を、自分に取り入れてみることです。丁寧に生きることで、幸せ感が増すのは確実だと思います。

 クライアントさんと次の日程を決めるときに、たまたま私の誕生日を言われました。私は、まだその日の予定を決めていなかったのですが遠慮なく、他の日程にしてもらえないかとリクエストすると、「ああ、そういうことか!そんなとき、自分だと、『まあ、いいか』と思って、お客さんを入れてしまうんですよね。自分を大切にすることってそう言うことか〜」とおっしゃいました。

 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

自分の取り扱いを丁寧にしていますか?