「自分を大切にしていない気がする」というテーマでの単発のセッションでした。初めてお話しする方なので、どの部分で大切にできていないと感じているのか? 具体的に訊いていくと、「食事」と「片づけ」の2点がでてきました。その中で最も気になることが、「片づけ」のようです。

 やらない理由は、「やる気がないから」ということです。しかし、ずっと悩んでいらっしゃるのですから、やる気スイッチを押そうとして、何かしら対策を講じてきたはずです。実際のところ「片づけができるようになるCD」とか「片づけ、断捨離の本」などを読まれたそうです。その瞬間は、気持ちが昂ぶるようなのですが、「どうせ、そんなことしても」とか「面倒くさいな」で、結局やらないことを繰り返していらっしゃいました。

 「変わるのが嫌なんでしょうか?」とお聞きすると、最近は「ジム」に行きはじめたようです。趣味のダンスのためにも体づくりは役に立つからとおっしゃっていました。緩やかでも、段々と望む変化をしてきていらっしゃるようでした。

 しかしセッションでは、「面倒くさいですよね」「何でできないんだろう?」「頭ではわかっているんですけどね」の繰り返しです。きっと、色々と試していらっしゃるでしょうし、それでもダメとおっしゃるのですから、どうすればスイッチが入るか、私もわかりません。答えはクライアントさんの中にあるので、私が掃除好きだからと言ってアドバイスするのも違います。沈黙が入りながらの対話が進んでいきました。

b ちょっと視点を変えてこんな質問をしました。
「もし、100万円貰えると言われたらやりますか?」「ドクターストップで、たばこがやめられたみたいな、緊急な事態とかでスイッチ入りますか?」と。
 クライアントさんは、「それでもスイッチ入らないですね」とおっしゃいました。
 
 「簡単なところからやりますか?」と訊いてみると、「簡単なところも出来ないのかと自分に腹を立てそうですね」と、おっしゃいました。「それじゃ、二次災害ですね」と私はフィードバックしました。

 少ししてクライアントさんは、捨てられない理由をおっしゃいました。「一度手放したら二度と手に入らないかもと思っているからかもしれません」と。続けて出てきた言葉は、「いや、使えないものもいっぱいあるのに、捨てられていないですね」と。

 「じゃあ、ハードルを上げて、友達に恥ずかしくても、手伝ってもらうようにすると言うのは?」と訊くと、「それは絶対に嫌ですね」とおっしゃるので、「プライドも断捨離ですかね」と私はフィードバックしました。
 そこで、「片づけ」より「捨てることが先」という風に感じられたようでした。


 具体的な解決策まで、進展していなさそうですが、ここまでのやり取りで、私が感じたことを伝えました。

 「以前と今とでは変化してきたとおっしゃっていましたよね。ジムにも行くようになったし、そういう変化って、どうやってスイッチが入ったのかと言うと、どれも自分でスイッチを入れてきているんですよね。CDも本も友達もご褒美も…他力でだめなら、自分で決めるしかないですね。自分でスイッチを押すと決めるしか」と。

 セッションも終盤に差し掛かったところで、「ここまで話してきて、いまどう感じているのか?」お聞きすると、クライアントさんは、「自分で決めることですね」とお答えになりました。
 それから私に質問がきました。「堀口さんのブログに、面倒くさいというのが口癖の人がいるって、書いてありましたけど、どうしたら面倒くさいがなくなってくるんですか?」と。

 あるクライアントさんが、「会社の帰りにマラソンをするために、出勤からあらかじめマラソンの格好で行くようにしている」とおっしゃったのです。そこで私は「潜在意識で私は面倒くさがりと思っているから、そういう行動をするのではないか?」と仮説を投げてみたところ、まさにそうだったことがありました。それから、自分のセルフイメージを変えるために、家に帰ってからマラソンをするように、行動を変えることを提案したのです。


 今回のクライアントさんに応用するとしたら、潜在意識から変えるためには、何の感情もつけずに、毎日「捨てる」という作業をただすることです。日々淡々と捨てる作業を継続することで、「私は必要のないものを捨てることができる」と潜在意識が書き換えられるでしょう。

 あとはクライアントさん次第です。淡々とは潜在意識に効果的なのです。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

行動を変えてみませんか?