「100分 de 名著」フロム「愛するということ」第4回 本当の愛を手に入れる を観終わったところです。3回目と4回目がとてもよかったので、自分の備忘録としてもまとめておきたいと思います。


第3回 「生身の人間とつきあう」

■愛を与えること

愛の能動的な性格を、わかりやすい言い方で表現すれば、
愛は何よりも与えることであり、もらうことではない、ということができよう。

自分の喜び、興味、理解、知識、ユーモア、悲しみなど
自分の中にいいづいているもののあらゆる表現を与えるのだ。
与えることによってかならず他人の中に何かが生まれ、
その生まれたものは自分に跳ね返ってくる。
本当の意味で与えれば、必ず何かを受け取ることになるのだ。
与えるという行為のなかで何かが生まれ、
与えたものも与えられたものもたがいのために生まれた生命に感謝するのだ。

■愛の4要素 

「配慮」相手の気持ちを想像する。
「尊重」自分と同じように大切な存在。
「責任」関係を続ける。
「理解」自分自身を知る。


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第4回「本当の愛を手に入れる」

■愛を手に入れるには、「信念」と「勇気」が必要。

■愛の技術を習得するための前提条件。
1.規律 2.集中 3.忍耐

愛に関して言えば、重要なのは自分自身の愛にたいする信念である。
つまり、自分の愛は信頼に値するものであり
他人の中に愛を生むことができると「信じる」ことである。
→相手の心に愛が生まれるだろうという希望に自分を委ねる。

愛は、絶え間ない挑戦である。
それは安らぎの場ではなく、活動であり、成長であり、共同作業である。
二人の人間がそれぞれの存在の本質において
自分自身を経験し自分自身から逃避するのではなく、
自分自身と一体化することによって相手と一体化するということである。
愛があることを証明するものはただ一つ。
すなわち二人の結びつきの深さそれぞれの生命力と強さである。
これが実ったところにのみ、愛が認められる。


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画像1 『愛するということ』で、「愛は技術」であるというフロム。では、どうやって愛を習得していけばいいのか? についての考えが書かれている本です。

 私は初めて読んだとき、「え? 愛ってそういうことだったの?」と世間で言うような考え方と違うことが書いてあり、逆に安心したというか、「愛は、習得すればいいのか!」とヒントを貰え、いろいろとフロムの言う「愛」を身につけるために、自習してきました。

 自分を愛することから始まりました。そして、相手に愛を与えることについて考え始めたとき、「配慮…相手の気持ちを想像する」では、とても苦労しました。本当に鍛錬が必要でした。例えば、クライアントさんへメールの返信をするときには、すぐには返せませんでした。相手がどこを汲み取ってほしいのか? 行間を読むことに時間がかかるのです。今は、だいぶ想像がつくようになってはきましたが、やはり集中力と静寂が必要です。

 それから最近、私が鍛錬していることは、 理解 = 「自分」を客観視することです。つい昨日、「自分が無意識で逃げている」ことに気づいてしまいました。結局、フロムのおっしゃるとおりで、「愛には勇気と信念が必要」という言葉に、私自身の問題解決の糸口があると、今日の4回目を観て気づいたところです。私にとって、何回も読みたくなる本です。