「スタッフ育成について」というテーマのセッションでした。前から知っているクライアントさんの久々の1時間のセッションでした。前から知っているので、いろいろとトライされていることも知っています。たまに「やっぱりそこに戻るか?!」みたいなタイミングで、私にセッションをお願いしようと思うようです。今回も、そんなタイミングでした。

 スタッフを育てるために、色々な研修を取り入れてみたり、自分からもいろいろとアドバイスをしたり、一緒に行動したり、機会を与えたり…しているそうです。問題になるところは、「自分で変わろうとしない」「そのときはやる気になるが、続かない」というところだと思われているそうです。

 私は、典型的な、上司が部下に思うことのような気もしました。「いろいろと仕向けているのに変わらない」というようなこと。私は話を聞きながら、もしかしてここかな? というのを感じました。そして、フィードバックしました。

 「色々と教えても、その時はいいが、継続しない理由は、インプットとアウトプットの距離がありすぎるから。明日やることを今日教えるとか、インプットとアウトプットが同時くらいがいいですね!」と。

 「あ、そうか!」とクライアントさん。マナー研修やコミュニケーション研修を受けたところで、すぐに使わなければ、身に着かないのです。「明日、とても偉い人がくるので、マナーが必要だ!」というような状況だと人は、「インプットしなくては! 明日使うから!」となるのではないかと。
 だから、「アウトプットの場を多くすることが、良質なインプットになる」のです。そこを意識した形で、これからの取り組みを考えることが、1つヒントになりました。


 そしてそもそも、クライアントさんにはこんな思い込みがありました。
「できてほしいと願っているけれど、できないんですよね。願ってはいるのに…」とおっしゃったとき、私は気づきました。「できてほしいと願っているということは、できないと思っている、ということですよね。だから、『できない』が現実化するんですよ」と。

 これには驚かれていました。教える人の心得として、「できてほしい、とも思わない。知らないだけだな。教えよう」とシンプルに関わることなのです。私はいつも「できてほしい」とクライアントさんや、関わる人に、そういえば願ったことがありません。(笑)だけど、人は変化するのです。いや、だからこそ自発的な感じが育つのかもしれません。

m

 そんな話をすると、クライアントさんが気づかれました。「私、自分が上に行きたいと思っているんですね。そういう思いが表面に出てくると、堀口さんのセッションを受けたくなるのかもしれません! 旦那にもそう言われたけれど、まったく効き目なかったですけど。(笑)自分、自分ってなってましたね」と。

 人に何かを教えるときは、自我を消した方がうまくいくのです。「変われ、変われ」と言われれば言われるほど、人は抵抗すると思います。教えるほうが、ただの相手の鏡になって、「ここが足りないから、こうしたら」という風に見せてあげればいいのです。