「君はライフコーチだから、傾聴スキルをアップさせる必要性はあるけれど、なぜ人が傾聴力をアップさせる必要があるのか、理由は何?」英会話のインストラクターに質問されました。

 はじめ私はこう答えました。「傾聴について学ぶ機会がないから、人々が少し学んだだけでも、すごくコミュニケーションが変わると思う」と。「それはそうだけど。(笑)僕は理由を知りたいんだよ」と再度突っ込まれました。
 そうかそうか、と思って、傾聴力がつくことで私の言動がどう変化し、周りの人間にどんな変化を与えられるようになったのか、エピソードを2つシェアしました。

 一つは、先日のメルマガに書いた、泣いている姪っ子に、なんて質問をしたのか? もう一つは、お客様からの要望メールの返事に悩んだクライアントさんへ、どう相手のメールを読んで、どう返事するのがベストなのか、アドバイスしたことを話しました。
 すると、今度はとても納得した様子で、”Make sense.There are a lot of applications. You are changing a world!”と言いました。改めて「傾聴力が必要」というところまで、気づいていない人が多いのではないか、ということにも気づかせてもらいました。
 ちなみにこの日は、英会話レッスン200回目だったようで、初めて「傾聴力の必要性について」英語で説き伏せることができたという、記念日にもなりました。(笑)


 さて、傾聴力がついて「3番目の発言」ができるようになったと、今週のブログにいくつか3番発言のエピソードを書きましたが、昨日も家族と話していて、「3番」出ました。きっと、どの家族でも職場でもありそうな話ですので、たとえ話で説明します。

「一体、あの人は何を言ったら納得してくれるんだか、知りたいわ」とAさんが言いました。

「そうね。何を言っても、Cさんは聞かないのよね〜」とBさんが続きました。

 Aさんは、「もう起きてしまったことだから仕方ない。次から気を付けるしかないわね」と思ったそうです。しかしCさんは、「ほんと、大変な問題だ。もっと怖いことに発展してしまうかもしれないんだから。今の世の中は昔と違って、変な人もたくさんいるんだから。いろいろ調べたけど、こんなケースも、あんなケースもある。問題を起こした人に、強く注意をしないと、とんでもないことになるよ」と。

 Aさんは、そんなCさんに、「もう、これから起こらないようにすればいいだけなんだから…」と言うと、Cさんは、「ダメだって、もっと強く言わないと。もっと最悪なことが起きてしまうよ」と。

 たいてい、このやり取りの繰り返しのようで、何を言ってもCさんは、否定されたと取ってしまい、何を言い返しても、またかぶせて返ってきてしまうという繰り返しだとか。Aさんにとっては、あまりの被害妄想ぶりに手を焼いているようでした。

tnm (7) Cさんの発想は、恐怖心にフォーカスしているので、1つの出来事から、さらにもっと恐怖をあおりたてるような情報をどんどん引き寄せるタイプのようです。
 一方、Aさんは、受け入れて、前向きに考えるタイプ。まるで、水と油のような二人です。Aさんにとって、Cさんが、そういう思考の傾向にあることも、理解しにくいようでした。私は、Aさんから話を聴いているので、AさんがCさんにどんな発言で返したらいいのか? を考えてみました。

 Aさんの前向きな考え方をCさんにいくら言っても、Cさんにとっては、否定されたように感じるので、さらにそれを否定で返すという繰り返しになるでしょう。

 もし私がAさんだったら、Cさんにこう言います。「心配しているんだね。それにしても、よくいろいろと調べたよね」と。きっとそれで終わります。

 Aさんに、「『よく調べたね』って言ったことある?」と私が言うと、「それはなかったわ! さすが! 今度そう言ってみるわ」と返ってきました。
 3番の発言の世界観は、「いい、悪いをジャッジしない」ということが、ひとつポイントなのです。

 3番発言ができると、自分のストレスが激減します。自分がいつも機嫌よくいられるのです。自分が機嫌が悪いと、周りの人にも気を使わせてしまいますね。自分がいつも上機嫌でいるために、すぐに思いつきそうな1番、2番目の言い方以外の、3番を習得する価値はあると思います。

 気分がいいと、潜在意識にネガティブな感じも溜まらないので、ラッキーなことをますます引き寄せるというところまでもつながるのです!相手の言葉に惑わされるのは終わりにして、言葉の背景にある、見えない世界を見えるようにしてしまいましょう。そうすれば、自分の心はいつも穏やかでいられるでしょう。

 傾聴を学ぶ理由は、たくさんありすぎるのです!


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