2014-05-18-23-26-12 実はこの本、8年前に『チャンスを広げる思考トレーニング』という本で、コーチを始めた頃、コーチの大きな集まりでベンジャミン・ザンダー 氏の講演を聞いたことがきっかけで読んだ本でした。それから今となり、TEDの感動のプレゼンでベンジャミン・ザンダー 氏を再び思いだし、新装改訂版となった『人生が変わる発想力』を改めて購入し読んでみたところです。

 ザンダー 氏は、指揮者です。「指揮者は音を出さないということです。指揮者の新の力量は人の力を最大限に引き出す能力にあります」と20年近く指揮をしていて、ある日突然気づいたようです。
 12の発想力が各章になっていて、実際の手紙のやり取りやエピソードが綴られており、涙しながら読んでいました。ベンジャミン・ザンダー 氏が人とのやり取りを通しながら試行錯誤し、何かに気づいた後には、柔軟に自分の視点を変えていきながら、可能性を広げる視点を獲得されていらっしゃる様子が伺えます。指揮者ですが、自分に非があったことを詫びれる方なのです。

 あの頃も、本当にいい本だと思いました。しかし、今読んでみると全然理解度が違う自分を感じました。もしかしたら以前は、完全に理解せず読んでいた部分も沢山あった気もします。わかったつもりになっていたんでしょう。
 というのは本を読んだはずなのに失敗したことはいっぱいあって、結局は自分がその失敗に向き合って初めて、新しい発想が必要になり、本や人から学んだことを自分に応用して生かしてきたところ、結局は本に書いてある12の発想法に私も至っていたということを確認しました。これは面白い流れです。この本を読んだことが伏線になっていたかのようです。最初からきちんと読んでいれば、きっと失敗も防げただろうに。(笑)
 思い込みで事実を歪めていたから。自分が正しいと思いすぎていたから。今を受け入れることが出来ていなかったから。このあたりが、私の失敗を招いたのでしょう。
  
 しかしながら、失敗しながらもそこから学んで、新しい物の見方に到達できたのならば、それはもう同じ失敗は繰り返さないということだと思います。結局、ザンダー氏のおっしゃる発想法に私も至っていたというのは、この本に書かれている発想法というものは、本質的なことなのだと感じました。
 肯定的に解釈するでもなく、相手のもっともいい部分を見ることでもなく、過去を水に流すといったことでもない、「真実を発見する価値」に通じているように感じました。それが、「可能性」へとつながっていくのかなということです。

 人の可能性を伸ばしたい人や、自分の可能性も伸ばすために、どう発想すればいいのか? 考える力も育つ本になると思います。