このままで何が変わるのかな? と思ったので、まずは環境を変えてみようと、引越しを考え始めたそうでした。長年セッションをさせて頂いているので、以前から引越し案は出ていたのは知っています。

 「引越ししたら、どうなっていくんでしょうね?」と未来の質問をすると、「そこまで考えていませんでした」という答えが返ってきました。あまり、未来のイメージが進まないようでもありました。

 また、クライアントさんが悩んでいたのが、家賃の設定です。将来、副業にしていることを本業にすることは、もう3年前くらいから考えていらっしゃるので、当然、今の給料+副業から算出して家賃を設定なさるのかなと思っていたら、今、会社から貰っている給料の1/3という世間で言われている設定を考えていらっしゃいました。副業で、月一人でもお客様がいらっしゃれば、+αの家賃を払えるのに、何千円の差でどうしようか…となっていたのです。

「お客様を増やすには、発信していくことですよね」

「やっぱりそこですよね…。でもいつもそこで止まっちゃうんですよ」

ちょっと角度の違う質問を投げかけてみました。
「もし『あなたは、それをやれば、未来は切り開かれていくのです』と、成功を約束されていても、発信しないですか?」

「自分がそうと思っていなくても、可能性が感じられるものなら、やってみようかなと考えますね」

「じゃあ、やるということですね。もしかして、今やろうとしていることは、本当に自分の取り組んでいくことだと、実は思っていないとか?」

「いや、それだとわかっているのに、できないんです。先月のセッションのあと、やる気になって、始めようと思ったところで体調を崩し、3週間頭痛がしていました。これは、今に始まったことじゃなく、前にもそう言うことが起きたんです。やりたいと思って始めると、体調を崩すことが繰り返されているのです」

「それは、不思議な繰り返しですね。何か、メッセージでもあるのでしょうか? やろうとすると、体調を崩すことを繰り返している…」

Fotolia_135339_XS私とクライアントさんは、スカイプを通して、しばし無言になりました。

「ん? 広めたくない?」

「いや、広めたくないわけではない」

「そうですか…」

(沈黙)


突然、クライアントさんは言いました。

「あの、前世療法で出てきた前世の話をしてもいいでしょうか?」

「はい、どうぞ」

そして、クライアントさんは前世の話をしながら、悲しみに気づいて、泣き始めました。

「なんで、悲しいんでしょう?」

 その背景がどんどん話されて、私の頭の中でもクライアントさんの前世での悲しい出来事が、映像になって、見えてきました。いつしか、私はクライアントさんと話しているというよりも、前世の女性へ、私が見えてきた真実をフィードバックしていました。

 自分が悪いと思い込んでいたこと。誰も自分を弁護してくれなかったこと。人の役にもっと立ちたいと思っていた矢先の出来事で、自分の才能を封印することにしたことも、とても悲しかったようでした。

 その才能というのは、植物と会話ができて、病気になった人に合う植物を処方する力があったそうでした。そのとき、私は自分の机の上に置いていた植物を触りながら、クライアントさんの話を聞いていました。枯れかけた植物が、美しく再生したので、よく頑張ったなぁと思いながら、眺めていたのです。そのつながりを感じた時、一瞬は驚いたけれど、やっぱりつながっているものだなと、改めて感じました。

 クライアントさんのほうは、最近夢に私が出てきたようで、私の方が「助けてください!」とお願いしていたとか。夢占いを見ると、助けて下さいと言ってきた人に助けられると書いてあったそうです。


 悲しみに寄り添って、話を聴きフィードバックをしていきながら、クライアントさんが信じ込んでいたことが、真実の発見によって見方が変わり、癒されていきました。

 たった一人にねたまれてしまったことから始まったこの悲劇に関して、「才能を伸ばすには、人のねたみ、ひがみは気にせずにやっていく心の強さも必要」と教えました。「ねたまれたのは、あなたが悪いからではない。あなたに才能があったことを羨ましく思ったから」という真実も伝えました。

「あなたは悪くないと言ってくれてありがとうございました」と私は言われました。
クライアントさんも、泣いて、ぐったりとしてしまったようでしたが、癒されていない感情に気づいてあげたことで、スッキリもしたようでした。

 癒されていない感情が心のブレーキになっていること。クライアントさんの場合、内観をかなりされてきている方なので、前世まで遡ることになりましたが、いま、生きている人生の中でも同じことで、過去の癒されていない感情に気づいてあげて、味わって解き放ち、そして、記憶を真実へ蘇らせることで、ブレーキはふわっと外れるものです。

 これから、クライアントさんの前に現れてくるものが、どう変化していくのか? 私も興味深いところです。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

自分が悪いと責めていることはありませんか?