前職は、やりきった感があったので転職活動を始め、偶然見たHPでとにかく入りたいと思ったというところで働き、1年が経ったようでした。
 しかし、まったくやったことのない分野で、自信のないまま1年が過ぎたてしまったそうなのです。わからないけれど、これを乗り越えたら何かが見える気がするとおっしゃっていました。

 3年前くらいに、単発のセッションのご依頼を頂き、そのセッションでかなり変化できたとおっしゃっていました。でも、今回は1回のセッションというよりも、本格的に取り組む課題のような気がするとのことでした。
 また、転職して1年間、何をしていいかわからないという状況は、これまでは、あり得なかったことのようで、一人では、わからなくなってしまったとのことでした。
 まずオリエンということで、90日コーチングで何に取り組んでいくのか? 考えていきました。

 仕事は、専門職と言った感がありますが、クライアントさんにとっては、全くの未経験。だけれども採用をされたということです。
 あるとき、全く仕事が出来ないので、社長に仕事を辞めることを相談したら、「自分で決めてくれればいいから」と言われ、クライアントさんは、続ける道を選んだとのことでした。

 周りの人には恵まれていて、仕事があまり出来ない自分にも優しく接してくれるそうです。「周りにこうして欲しいと言うことはありますか?」と訊くと、「自分がちゃんとすることだと思います」とお答えになりました。
 そのために、自分は何ができるのか? コーチの力も借りながら、明確にしていけたらいいなと言うことでした。

2 ここまでの話を聞いて、私の中で色々と質問してみたいことが浮かんできました。クライアントさんの話している感じだと、周りにも恵まれ、社長も意見を尊重してくれるし、会社のHPも充実していて、お客様のために力を尽くしていけそうな、いい雰囲気のように聞こえます。しかし、そこに、何かありそうな気がしました。なんというか、浅瀬のような、そんなイメージです。

 私がアパレルに異業種転職したとき、自分のできることが頭打ちになってから、何をしていいか? 湧いてこなくなったことがありました。しかし、そんなときは、上司が叱咤激励のような、熱い関わりをしてくれたお陰で、私は抜け出すことができました。まさに渦中は、上司は、いい人というよりも、いつも逃げたいくらいの存在でしたが…。そして、私自身もスタッフたちと熱い関わりをして、絆を作れました。先日、偶然に会ったときには、部下から声を掛けてくれたことに、とても嬉しく、懐かしく思いました。

 クライアントさんの会社には、そんな熱い上司はいないのかな? と疑問に思ったのです。それだけ、何もわからない状態なら、誰かが手を引っ張ってくれてもいいのにと。なんだか、周りは遠慮している感じで、浅く付き合っている感じがしたのです。そう尋ねてみると、クライアントさんは、「自分が何かを与えてもらっているのに気付いていないのかも」と、お答えになったので、「自分を責めないことですよ」と伝えました。また、実際のところ社内での行事はしないことになっているし、関係が薄いようです。

 何か、訳があって浅い付き合いという結果を生み出しているのでしょう。しかし、周りのせいにしたくないクライアントさんとしては、「私がこの会社で自分が結果を出せたら、もっとみんなにもいい影響が与えられるかもしれない。だから、何をしたらいいか? 明確にしたいのです」と続けておっしゃっていました。

 私は、また確認してみたいことがあったので、訊いてみました。
「自分が頑張れば、周りにもいい影響がでるかもと思う根底は、周りの人にはあまり期待できない。だから、自分が頑張れば皆がきっと、と考えているのかもしれません。自分が人のことを信じられていないという気持ちとも言えますが、そのことについてはどう思いますか?」と訊いてみました。

 すると、「そうです。私は、他人のことを信じることが出来ないところがあるんです」とおっしゃいました。

 会社が全体的に浅い付き合いになっている理由。HPという入口は、素晴らしいものに感じられるものになっている理由。いろいろとつながっていきました。きっと、経営者の人も、人のことをあまり信じられていないのではないかと言うことです。

 なぜ、そういうことに気付いたのかと言うと、私も人のことを信用できていないところがありました。「自分からどんどん働きかけてあげないと、人は動かないだろう」と思っていたところがあったのです。
 そのことを、「信じていないからだ」と知人に指摘されたときには、本当に驚きましたが、そういうことなのか、と妙に納得したことを覚えています。せっかちに相手に促してしまうことは、「相手は、私が促さないと早く出来ないだろう」と、私が思っているからでした。
 例えば、「相手を信じる気持ち」を持って、この文章を書くのと、「疑いを持って」この文章を書くのとでは、全く違うアウトプットになってしまうものなのです。
 そう指摘されたことで、私は大きく変化し、人と人とのつながりの質が、以前とは比べ物にならないくらい素敵なものになりました。人間関係が深くなり、人生が豊かになっていったのです。

 クライアントさんは、自分と向き合う時間を持つことで、きっと大きく変わることになるでしょう。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

信じるについてどう考えていますか?