17 対面単発セッションがありました。「転職をしなくてはいけない時期に来たので、次を考えてみたい」というテーマでした。

 今の仕事は、3年契約ごとに更新され、まもなく6年目が終わる頃のようです。そのままでもいいようなのですが、転職についても考えてみたいとのことでした。

 以前、私の経歴について、「仕事は違うけれど、根底ではつながっている」と記述したことがあるのですが、それを読んで、「自分の中でも何かつながりを感じてみたい」と思ったとのこと。

 まずは、現状からお訊きしました。事務の仕事は6年、その前は、社内報作成、文章構成などの編集的な仕事をされたようです。もし次も契約更新をすると、さらに3年ということになって、「また同じことやるの?」と思ったりもしているそうです。

「次に、やりたいことって何ですか?」と訊いてみると、「全然違う話なんですけど、体を柔らかくしたいんです。5年間、○○ダンスを趣味でやっているのですが、みんなは、本場へ行ってみたりして、相当のめり込んでいる方も多いのですが、私は、現地にも行ったこともないし、そこまでと言うわけではないのですが」とおっしゃいました。

「夢中でやっていることはありますか?」と、また質問を変えてみました。すると、いろいろ手は出すけれども、深めるというところまでは、どれも進んだ感じはしていないとのことでした。母親には、○○ダンスは5年やっているんだし、先生をするのはどう? と言われるそうなのですが、深めようとすると、湧き道を逸れようとする自分を感じるのだそうです。

 話も、なんとなく核心に触れてたり、離れたりしながら進んでいきました。

 また、質問を変えてみました。「どんな人になりたいですか?」と。
「人の気持ちがわかる人ですね。何でこうなんだろう? と考えることが多いんですよ。私は、怒りっぽいところがあるから、何でだろう?とか、色々考えて、その答えを探すために、いろいろな人のブログを読んだりしています。小説というか、エッセイが好きで、人の考えを読む方が好きなんですよね」と、お答えになりました。

 ここまでの話を通して、「絵と文」というキーワードが出てきたように感じたので、その線で話を進めていくと、「中学生の時に、雑誌の文通コーナーに応募し、名前がでたときに、60名から文通しようとメールが来て、1通1通全員にお返事をしたことがあったんです」と、クライアントさんの特徴がわかるようなエピソードが出てきました。

「そんなに書くっていうことは、伝えたいことがあるのですか?」と訊くと、「伝えたいより、応えたいんです」とお答えになりました。これまでの仕事も「頼まれたもので、出来そうなら工夫して取り組む」スタンスです。社内報や広告をつくるサポートをしていたときには、イラストを入れるときに、それにあうイラストがないと、自分で描いてしまうこともあったようです。

また、深まるよりも、材料が増えていきました。(笑)

「人から頼まれればやるっていうことは、自分が自分にオーダーするとなると、何をオーダーしますか?」と訊いてみました。
 すると、「マラソンを始めたら、体の仕組みに詳しくなったり、人のブログを読んで、いつも考え方について、何でだろう? と考えることが多い」とおっしゃってから、「なんだか、続いているものがなくて、とっちらかってますね」と笑っておっしゃいました。

「残したくない?」と訊いてみると、自分のもの捨てることに躊躇はない性格なのだとか。しかし、相手と喧嘩したことについてどうしよう・・・とこだわっていて、なかなか執着が離れないから、今は、色々と自分に向き合うことによって、自分の中のこだわりが溶けていっているように感じているようです。

 ここまで、お話しを聴いていて、私が感じたつながりは、「今は、自分で作って、自分で終わり」というところです。

「これから先に進むには、先ほど出てきた、お母様に言われた先生になることが、いいアドバイスかもしれないですね」と振ってみたら、「先生は、全てを知っていないといけないと思うと、躊躇します」と、自分の考え方のこだわりが、ふと出てきました。

 例えば、こう考えてみるとどうでしょうか。先生は、きっと全てを知っているよりも、全てを知らないから人、先生をやって、引き続き研究を重ねているほうが、真実なのかもしれません。また、単に人より費やした時間が長ければ、人は、先生と呼ぶものであるとも言えるでしょう。ちょっと進むのが難しいかなと思うときは、いろいろな見方を考察してみると、ハードルが下がり、行動がしやすくなることがあるのです。

 ここで、私は「次は、先輩になることですかね」と言うと、「先輩ならしっくりきます」とのことでした。どちらにしても、クライアントさんが望まれる先の方ですから、どちらの言葉を使ってもいいですね。

 自分で満足して、自分で終わりというところから、人にシェアしていくことを考えてみる。シェアしようと思ったら、もっとこうしたい、ああしたいと、自然に深まっていくのではないでしょうか。

 ある、語学が堪能なクライアントさんが、以前こんなことをおっしゃっていました。
「私は、教わりながら、教えることも考えているんですよね」と。
そんな風に、ちょっと先を見据えてみると、取り組む姿勢も自然と深まるのでしょう。

 私もそうでしたが、セミナーを聴いている側から、話す側へ来たとき、初めてで何もわからなかったのですが、やってみようと思うと、また色々と調べることも増えて、結局自分が一番勉強になっていくのだと感じたことがあります。
 自己完結サークルから、人に教えたり、シェアすることを意識してみると、一気に、見える景色が変わっていきそうですね。

 自分からふっと離れる瞬間に何を感じるのでしょうか。新しい境地のような気もします。

 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

次はどうなりたいですか?