「これからのキャリアについて」というテーマでの単発対面セッションでした。
 入社して3年目。実は入社して半年で、自分の当初の希望と違う仕事を任せられて、自分のやりたいこと半分、自分に向いていないこと半分という状態で働いており、しかも、一人で担当しているので、相談する人がおらず、自分の中で考えたようにするだけで、もう少し新しい視点も欲しいとおっしゃっていました。
 会社の方針として、やりたいことだけでなく、色々なことに挑戦させる社風でもあると言うのです。なので、自分のやりたいことが良くわからない人はチャレンジの場になるけれど、そうでない場合は、辞める人も多いという会社のようでした。

 クライアントさんは、毎日のように終電まで働いているようで、体力的にも辛くなってきて、これは転職か? と少し思い始めている頃に、セッションを申し込まれました。クライアトさんのお父様が開業なさっていて、コーチを付けているから、コーチングを受けてみたら? 言われたとおっしゃっていました。

 現状からお聴きしました。将来のなんとなくの自分像につなげていくことを考えていくと、本当にやりたいことではないことをしているのは、どうなのかな? と疑問も湧いてきます。

 話していくうちに、「自分を見失って、欲求を無視してしまうようになっている気がします」とご自身で気づかれていました。
 言われたことは責任感を持って、最大限の力をだしてやり遂げるタイプだけれど、元から自分の欲求が強いタイプだから、欲求からでないことをしていくのは、辛くなるだろうとおっしゃっていました。しかし、やるからには一生懸命にやって、会社が満足いくパフォーマンスを発揮出来たようでした。

 なんとなく思い描く30歳くらいの自分は、独立してやっている姿なのだそうです。お父様が自営業というのもあって、独立は身近な姿のようでした。

 ということで、独立を視野に入れた形で、これからのキャリアプランを描くことにしました。今は、小さな規模のところなので、チームで仕事をするような、大きな組織にも属してみたいというのが出てきました。
 また、独立を考えているのならば、既に今からでも、個人的に副業として仕事を受注していくのもありではないか? と提案してみると、割と自分の関わる業界の人は、副業をしていることも多いし、やってみようかなと、思えたようでした。

 話して1時間くらいで、どうしようか迷っていた状態から、転職の方向で探していきたいという気持ちが、はっきりと見えてきました。

 それから、実際に転職活動が始まって、面接で何を伝えるか? 具体的に考えて行きました。今までの3年間の働きについて、振り返ることになりました。

 思っていた仕事と違う仕事を任されたけれども、実は人間としての許容範囲が広がる体験をなさっていたということが見えてきたのです。
 最初は、ネガティブ状態の相手の話を聞くことがしんどく、自分も負のオーラーを受けてしまって疲れ果てることが多かったようです。しかも、社外には口外してはいけない内容なので、誰にも話すことができず、自分の中に溜っていくように感じていたとか。
 しかし、溜っていくのをどうにかしたいと思いながら、次第に慣れてきたようなのです。
そのことについて、私が言語化を助けました。「相手のありのままの状態をそのまま置いておけるようになったから、溜らなくなった。つまり、自分の器が広がったのでは?」と。

 まさに、そんな感じだと、クライアントさんも理解されたようです。
「この仕事をやってください」とこちらの希望を無視して言われた業務だったのに、実はそれも意味のあったことだと、改めて思えたと言うことです。きっと、その仕事を任せた上司も、やれそうな人だから、任命してきたのだと思います。これも転職面談のときの、アピールポイントに付け加えられる事でしょう。
 

 また、クライアントさんにとっては、何かを創りだすことや、深めていくことが、自分を満たすことにつながるという、モチベーションの源も確認しました。
 だんだんと話していくうちに、アピールできそうなことが色々と見つかり、次へ挑戦していくことのハードルも段々と下がっていくようでした。


 このクライアントさんと話していて、私も改めて思ったのが、運命を受け容れて、任務を全うすることの大切さです。やりたいと思ったことではなかったけれど、それは後になって大きな意味を持つとことがあると言うことです。

 私もそもそもサービス業の始まりは、大学時代にアルバイトを探していたときの、面接がきかっけなのです。ファミレスのアルバイトの広告を見つけて、あまり人前に出たくなかった私は、「厨房希望」と書いて、面接に行きました。しかし、面接で40分説得され、「ウエイトレス」になったのです。私にとっては、真逆の選択でしたが、そんなに言うので、受け容れたのです。ここでウエイトレスを4年間したことが、外食産業の扉を開き、マクドナルドへ入社しました。

 絶対にこれ! というのがない時代も、悪くありません。自分の目の前に来たことを一生懸命にしていく自分の在り方が決まっている人ならば、きっといつでも運命が切り開かれていく気がしました。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

今日はどんなことを学びましたか?

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2013年7月27日(土)独立7周年講演開催!@東京 
テーマ「相手が話したくなる傾聴力」

相手が話したくなる聴き方、伝え方について。