管理職をされているクライアントさんのセッションでした。いつもは、電話セッションでしたが、東京に来る用事があるとのことで、急遽、対面セッションになりました。
 既に2回セッションをしており、変化したところもあれば、変わらず、部下の育成に四苦八苦のようでした。

 初めての管理職ということで、自分が何でもやってしまうところがあり、育成と言っても、指示を出してやってもらうことのほうが多く、「育てるってどうするの?」について、試行錯誤中のようでした。

 ある部下は、クライアントさんからみたら、覚えが悪いし、考えることができないタイプに見えるそうで、以前の上司もその辺りは同意している人もいるとか。しかし、性格が明るく、パートさんには、いじられキャラで、場の雰囲気はいいものにしてくれるそうです。

 しかし、社員ですから、それなりにならないといけないし、ちゃんと教えないと、また次の人たちにも迷惑がかかるからと、心配のようでした。

 ある日、「目標は?」と聞いたとき、「わからないことは、主任に訊くこと」と答えたそうで、それには、かなりびっくりさせられたようでした。

 ここで、少し見えたことは、クライアントさんは、いつでも正解を用意していると言うことです。相手は、正解、不正解をジャッジされることを恐れて、考えがあっても、言わなくなってしまうこともあるのではないでしょうか。
 
 聴き手としては、「どんなトンチンカンな答えでも大歓迎」というスタンスが、必要なのです。その安心感があれば、最初は、トンチンカンな答えだとしても、だんだんと本当の事が見えてくるから、何でも話してみようと、相手はなるのだと思います。

 また、クライアントさんは、自分が教えすぎるから、相手は考えないのだと感じて、指示を出さずに任せるパターンを実行してみたそうです。
 すると、本当にやることが分からないらしく、ああ、やっぱり指示を出さないとダメだ、になって、また指示を出すそうなのですが、3つのうち1つくらいしかクリアできていなく・・・・そんなこんなで、堂々巡りのようでした。

 つまり、クライアントさんの考えの中では、育てるに関して、「指示を出す」OR「指示を出さない」の2つの手段しか、使い分けていないのではないかと言うことが見えてきました。それが、見えてきたところで、「今までの自分のやり方はダメなんだ」ということが、ようやく客観視できたとおっしゃいました。

 セッション時間は、80分が経過していました。そして、このタイミングで、「自分の力を発揮するには、どうしたらいいですか?」と質問しました。私の中では、ようやく「自分」になったぞ、と実は思っていました。(笑)

「売り場は、ある程度お任せをして、全体の戦略を自分が考えて、実行することができると、一番いいんですけどね」とお答えになったと同時に、「育てなくちゃ」で焦っている自分に気づかれていました。

 部下の育成には悩みつつ、そこに労力を費やす分、長年いらっしゃるパートさんたちには、完全に任せることができるようになっていることにも気づきました。毎日、勤務中にOJTをして行けば、時間の経過とともに、売り場でやることというのは、割と皆できていくし、自分もそうやって出来たから、焦らなくても大丈夫だと。
 そして、「ああ、自分のことをなんとかしなくちゃいけませんね…」とおっしゃいました。

 これまでの自分の経験と、前の上司がやってきた戦略からしか、実行案が思い浮かばない自分をどう変えていくか? 自分がもっと発想力を持つためには、どうしたらいいのか? という話に発展して行きました。

 ここから、私の店長時代の経験談を色々聞きたいとのことで、私が質問されました。クライアントさんの中で、これまでと違うアプローチをどうとっていくか? イメージが膨らんだようでした。

 そして、すぐにでもできそうだと思ったことは、「聴き方を変えること」とおっしゃいました。

 今までは、仕事を頼んだとき、良くできていると感じたときは、何も言わずにいて、これは違うだろうと思ったときにだけ、言うようにしていたようなのです。

 ここで、聴き方を変えるということは、良くできているときも、「どういう意図でやったの?」と、相手に話してもらうということです。違うと思った時も、「どういう意図でやったの?」と聴いてみると、なるほど、と思うこともあるでしょう。そして「じゃあ、これでいってみよう」と相手のやったことを支持してあげたら、相手もやる気が出るというものです。

 「指示を出さなかったってことですか?」と、私が指示を出さない店長であったことに、驚いているご様子でした。私は、アパレルの経験がなかったので、本当に何もできず、指示が出せないかわりに、支持を出していたのかもしれません。

 そのほかにも、いろいろと話し、私もクライアントさんも時間があったので、夕食も含め、6時間くらい経過してしまいました。(笑)普段は、そんなに話さないようなので、そんなに話していた自分にも驚いていらっしゃいましたが、話させるのが私の仕事なので、たいてい、皆さん、よくお話しになります。
 他にも、面白い発見があったので、また記事に書いてみたいと思います。


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