ひとりでカフェにてセミナーのアイデアだしをしていました。隣の女性の香水の香りが、苦手なもので、ちょっと気になっていましたが、ひとりで何か作業をされているようなので、静かだし、いいかなと思ってそこにいました。

 やがて、15分くらいしてから、その方の仕事仲間とみられる女性が席に合流してきました。待ってましたとばかりに、香水の女性が啖呵を切り、びっくりしました。

 私もきっと昔はそういう世界にいたのだと思いました。自分のなかでの怒りとか不安とかが、ほとんどなくなってしまった今、街に出ると「皆、結構幸せそうに歩いているな〜。私の仕事っていらないのかも」と思ってしまうほど、街の中の笑顔を目にします。

 そんなことを知人に話したら「皆さん、マヒしているんですよ」と返事がきて、その後、「マヒか」と思いながら、街を意識してみてみました。

 電車でカップルや仲間が一緒に楽しそうに喋っていて、一人が駅で降りたあとの、電車に残った人の顔を見てみると、「はぁ、やっと一人になった…」と、緊張の糸がほどけたようにも見えました。

 気を使っている人、自分を押し殺している人、怒っている人、辛そうな顔をしている人、色々と見えてきました。私の仕事はたくさんあると感じました。

 香水の女性と後から来た女性が、何を話しているか? 隣で聴いてみることにしました。
「彼女たちが楽になる」ために・・・を考えながらメモをしました。

■自分以外の人の話がずっと主題である。
■人を動かすには、説得することと思っている。
■話に対しての返答は「いや、でもね」 。
■「普通こうじゃん」の普通と言うものがある。
■コミュニケーションの達人は我慢しているからだと思っている。
■「ああいうのはダメだと思う」と白黒はっきりしている。
■「ああいう立場は、こういう態度を取るべきだ」と語る。

 おそらく、彼女の話を聴いて、私が最初にする返答は、「怒っているんですね」でしょう。

 「怒らないこと」系の本がありますが、私は、根本のところでは、「怒ってもいい」と思っています。怒っているところから、その人の思い込みや、相手に対しての期待、自分の思い、自分の願い・・・が見えてくるので、「怒っている」ことに向き合うことは、「怒らないこと」への突破口になるからです。

 上記のメモから、「思いこみ」がたくさん見えてきますね。この思い込みを手放したら、どんなに楽になるか…。

 「思いこみ」という因子が、怒りや、どうにもならなくて困ることになっているようです。思い込んでいることに気付くこと。なぜ、思い込みができてしまったのか? 因子をたどってみることで、思いこみは、外れていくでしょう。そうすれば、ニュートラルな考え方に自然となれていくのです。楽です。


 その夜は、久々の友人から電話がかかってきました。このタイミングで? と少し驚きました。相談の電話でした。
 
 最初、彼女は、悲しみや怒りを持っていましたが、最後は笑っていました。笑うように楽しい話をしたのではありません。気持ちや思い、願いを質問して聴いていったあとに、ちょっと彼女にまつわるある事実を発見したから、そこを伝えたのです。
 
 そのあと、怒りの元になった、相手がちょうど帰ってきたようで、インタンホンの音がしました。一瞬「あちゃ・・・」と私は思ったのですが、(笑)彼女は携帯を持ったまま、笑いながらドアを開けたところで、「じゃあね」と電話を切りました。私は、ホッとしました。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

思い込んでいるから苦しくなっていることは、何かありますか?



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