先日観た映画、『マーガレット・サッチャー』は、数日たってもじわじわと深い映画だったなぁと、再確認したくなるところが見つかります。

 こんなセリフがありました。
「最近の人々は口ぐちに、どう感じるか、FEELINGと言う事ばかりを気にするが、
人間は、どう考えるか、THOUGHTこそ大事な事なの」と認知症の診察を受けている時に、医師からの「気分はどうですか?」の質問に対して、サッチャーが答えました。
 20世紀から21世紀への人々の価値観の変化を表わしているようなセリフです。

 
 1月からセッションをしているある女性のクライアントさんは、THOUGHT(考え)を大事にしてきたけれど、自分をかなり疲弊させることになり、仕事に行けなくなるほど辛くなって仕事を辞めたそうです。

 しかし、仕事を辞めたのに、また頑張り出したら、ベビーカーと衝突して、腕を骨折するという事故に遭遇。意図的に進めなくなったようです。
 やはり、違う方向へ行こうとすると、神様はそんなお知らせをすることもあるのでしょうか…。

 それから、怪我の方が無事に完治されて、次はどうするか模索中にお会いしました。

 最初のセッションで、「ゆっくりすること」、「がんばらないこと」、「好きなことを味わうこと」をしていくことを決めました。今までと違うアプローチをやっていこうと。

 今は、まさにFEELINGな毎日を過ごして、本来の自分を取り戻しつつあるようです。

 今回、3回目のセッションでした。なんだか1,2回目のセッションの頃と、「声」が変わっているように感じました。明るくクリアな感じに聞こえたのです。
 友人たちにも、「声が変わった」と言われたというのですから、周りも分かるほど。

 ゆっくりしていると、自分の本当に好きなことが分かってくるようです。
面白いことに、以前、嫌いだと思っていたことが、今では好きになってきていると言うではないですか。
 とにかく、180度別人になってしまったので、私もあと数カ月、セッションでお付き合いさせてもらいますが、どうなっちゃうのだろう?! と楽しみです。

 でも、別人になったというよりも、クライアントさんが「居心地がいいのです」という言葉を発したので、本来の自分に「戻っている」感じに思えました。


 「がんばらせない」セッション。いつからでしょう…。

 思えば、『ひとみずむ18』に「頑張っているけど私の幸せにつながらない」という題名がありましたね。『ひとみずむ43』の「逆流」もそうでした。最近では、『ひとみずむ46』の「じたばた」がそうですね。
 『ひとみずむ5』(2013年予定)でも、何人か書けそうな人が出てきそうです。


 段々と「がんばっているから、うまくいかないんだ」の見極めが、私も分かってきているようで、『ひとみずむ』も回を追うごとに、早期発見です。

 すごくシンプルなのですが、本人が「辛いです」と言ったら、頑張るのを辞めたらいいようなのです。


 別人になったというクライアントさんは、今回3回目のセッションの準備用紙にこんなことが書いてありました。

 「自分が心地いい、好きだなと思える瞬間を味わおうと日常にて意識して、生活していました。 頭で考えず、自分がいいと思うままに行動しようと思った結果、習い事や、やらなければいけないことをすべてストップして、気ままに散歩したり、料理をしたりして ゆっくりしていました。思いもしなかったことに自分が心地いいと感じることが多々あり、驚きました。もっと広く好きなことを知り、感じることができました」

 やはり「ゆっくりする」ことは、とても効果がありますね。焦っているとどうしても「考え」が先行しがちですから。


 しかし、「やらなくちゃいけないことをストップする勇気」これが、結構大変なんです。
 私もそんなことがありました。「なんにもしない!」と2年前にそう決めて、今も、結構、何もしないで過ごすことを継続中なのですが、別に何も困ることがないことに驚いています。むしろ、傾聴のスキルアップに確実につながっていると感じます。

 「がんばらない」の検証を始めて2年。クライアントさんにも自分にも、なかなかいい結果を生み出せている気がします。クライアントさんの方が、いい結果なのかなと思うほどです。ますます、いい流れを生み出すような予感がします。

 
 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

居心地のいい場所はどこですか?