知人に今回の『ひとみずむ4』を7割くらい出来上がったところで読んでいただき、またそこから気づいたことがあったら、さらにまた深めることをしています。

 本当に今回はなかなか出来上がらなくて、いまのところ出来ているのは3人だけです。
私も読んでいて、もっと深いところの言葉から紡ぎだされる何かがあるんじゃないか?という違和感を持ってしまうと、なかなかOKと言わないです。何かがあるから、もったいなくてOKと言えないのです。

 そして、待ってみると、初稿と比べられないものになって原稿が上がってきます。
今回の添削は、驚きが本当に多いのです。

 知人から、こんな感想をもらいました。
ほかの皆さんもそう感じましたが、Sさんもイントロの部分は
環境や他人の影響に振り回されていたものの、ご自身の課題・悩みに
向き合って行く所からグッと深みが増していきました。

 深みが増す感覚というのは、読んでいて、集中力が増して行く部分と言う感じでしょうか。
表面的な問題に向き合っているところの描写は、普通に読んでいるのだけれど、自分に向かい合っている描写となると、読む方もグット入ってしまうのです。

 最初は、表面に現れている問題について、セッションで取り上げています。
例えば、人間関係がうまくいくためのコミュニケーションを知ることができたら、円滑になっていきます。
だけど、「方法」を続けるだけでは、自分の中に「イライラ」が段々溜ってくるようなのです。

 次は、その「イライラ」について、テーマにする。
そうすると、自分の課題、悩みに向かい合っていくフェーズに入っていくのです。
ここから、自分と向かい合うセッションが始まっていくのです。

 『ひとみずむ』を読んでいると、コーチングを申し込む前の経緯が長い人が結構いたりするので、もう少しメルマガやブログを読んで、自力でやってみようと思っている人は少なくないんだなぁと思いました。

 その様に方法論を読んで、表面上の問題が解決した経験をしたら、もっと解決できるのではないかと思ってコーチングを受け始める。

 あるクライアントさんが、「上司を説得する方法」についてテーマにしてきました。
その時、私から「自分がどう上司に見られていると思いますか?」と質問されて、そちらの方向から考えたことがなかった、と驚いていました。本当の課題は、そこなのに、「説得する方法」を知りたがっていたのです。

 こちらが、自分に矢印を向ける質問をした時に、初めて「???」を感じる。
その質問に答えてみて、実際に現場で上手く行く体験をして初めて、ああ、外に起こっている問題は、自分が引き起こしているのだ、と気づき始め、相手の反応を鏡にして、自分自身のことを振り返る機会にして行く。そうすると、本当に色々なことが起こっていくのです。望んでいたことが吸い寄せられるように。

 今回の『ひとみずむ4』では、そんな風に、周囲から自分事へとフェーズがチェンジする瞬間は、まるっきり文章のテイストとかカラーがはっきりと変わって見えて、1つの作品の中にコントラストがあります。

 これまでのひとみずむだと、その境界線みたいなところは、もっとグレーだったような気がしたのですが、今回は、くっきりと表れているのが特徴です。
同じ人が書いた文章なのに、前半はカチカチな感じが、後半になるととても柔らかに、そこには安定感があって、淡々としている中に、伝わってくるものがある。

変化を段階で表わしてみると、3段階あります。
第1フェーズ:周りとのことで自分が悩んでいる段階。
第2フェーズ:コーチングを受け始めて、表面上の問題が解決し、不安が減ってきた段階。
第3フェーズ: 表面上の問題が解決すると、今まで見えていなかったことが見えてさらに下層の気づきへ。

 いきなり、第3フェーズから始まった人は、誰もいませんでした。
段階を踏みながら、自己探求が深まっていくのです。

 私は、第3フェーズのところが何かあるのかな?と思っても、いきなりそこからセッションを始めることはしないで、まずは、今悩んでいるところの問題から話を聞いて行きます。
私も、何も分からないので、一緒に1のところから考えて行くのです。

 このことに関しては、今回の添削をしながら見えてきたことなので、これからもっと追及してみたいと思いました。

 今回のひとみずむを読むときに、きっと読者の方も、1作品の中での色の違いみたいのに気づくかもしれません。文字を追うよりも、体感覚で読んでみる視点からの発見もなかなか楽しい読み方のような気がしています。

 まだ、完成まで悪戦苦闘のクライアントさんたちは、「ラスト」のところで悩んでいるようです。
 
 ラストは、ラストだけど始まりでもありますからね。今、「ひとみずむ」を書いてみて、次のスタートについて何を感じているのか?私も知りたいところです。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

自分に矢印を向けるとは、どういうことですか?