25歳の女性の対面セッションでした。とてもアクティブで、おもしろそう!と思うととにかく動いてみるタイプです。なんでも上手く行ってそうですが、ぱっと行動して、実行した後に、反省点がいつもいっぱいになり、もっと計画した方がいいよと、周りにもアドバイスを言われるとか。ご本人もそう自覚をしていて、「計画性を持つにはどうしたらいいか?」についてまず話し合っていきました。

 「時間をかければ、計画が細かく立てられる」ということは、まず一つだと思うのですが、そもそも、「これをするには、これが必要じゃないかな?」という想像力がうまく発展できていないご様子でした。

普段の生活の意識はどうか聞いてみました。
「なにを見てもなぜ?って常に考えるようにしていますか?」
「わたし、『なぜなぜ』が嫌いなんです。
『なぜ?』って言われると、『だってそうだから』ってしか理由がないんです」
とお答えになりました。

私も、実はそう言うタイプでした。「なんで?」って友達に聞かれると、困りました。理由なんてない、と思っていました。感覚的なタイプです。

 しかし、やはりそれだけではビジネスの世界では生きて行けず、(笑)店長の仕事をするようになって、知人からの助言を頂き「なんでそうなのか?」といちいち考える習慣をつけ始めたのです。ブログを書き始めたことも言語化の訓練になりました。

 それまでは、物事を「好き嫌い」で判断していたので、自分の興味にしか目がいかなかったのですが、「なぜ?」ができるようになると、たくさんのものが対象になって、自分の目に飛び込んできます。映画を観ても、内容以外の作り手の思いを想像したり、映像の中のインテリアに目がいったり、説明のない映像自体から受け取るメッセージは何だろう?と考えたり、街の景色がすべて生きた勉強になりました。

 
 その人がいまやろうとしていることは、会社外の活動が中心で、日本全国にあることを広めたいとおっしゃっているほど、結構壮大な夢でした。その割には、今の仕事は、単調であまり楽しくないので転職もしたいと考えるけど、周りの人にいてくれないと困ると言われることによって、4年間も動けずにいるとか。

 人のために、皆の役に立たなくちゃと思っている割に、自分が本当にやりたい仕事についていないというギャップのほうが、私は次第に気になり始めました。自分がおざなりです。まずは、自分を救ってあげることが必要に感じました。

 自分ひとりが辞めても、会社は大丈夫くらいに思っていいと思います。
私も「店長辞めたら、お店大丈夫?」と少しは周りに言われましたが、いなくなった3か月後くらいに、セールスがさらにアップしていました。必要な引き継ぎをすれば大丈夫なものです。

 その人は、「大丈夫」と私が言ったセリフが、だいぶ励みになったようでした。
そして、こんな質問をしてみました。

「なんで、そんなに使命感を持つんだろう?使命感を持たなくちゃいけないって、過去のどこかの時点で思ったのかもしれないけど、どこでしょう?」

「あ、もうわかっちゃいました、中学生の頃です…」。
即答で、リンクが速すぎてびっくりしました。

まるで、インナーチャイルドが私に叫んできたように感じました。
「誰か、もう大丈夫と言って!私を止めて!」と。

 そのころの失敗体験から、使命感を持つようになり、友達思いになって、成長できたこともたくさんあったようでした。しかし、そのおおきな使命感はまだ必要でしょうか?自分のことを、まずは考えることの方が大事です。

「もう、その使命感を持たなくても大丈夫。『使命感を持ちすぎた自分を許します』と紙に書いて燃やす儀式をしましょう」と言ったら、とてもすっきりされた顔になっていました。笑


後でメールが来ました。

「堀口さんの、『大丈夫』ものすごく励みになりました!
あぐらをかいていた頭の中の、お邪魔虫がようやく飛んで行ってくました」。


 振り返ると、この90分セッションは、「使命感」というテーマですべてが繋がっていました。

自分のことを大切にしていくことがまずは大事です。「使命感を持たなくてはいけない」という思い込みが、計画を綿密に立てる前に、まずはやらなくちゃという衝動になったり、自分の内側の自分のための本当の欲求を抑え込んでいたのでしょう。

 もともと行動的な人ですから、そのパワーを自分のために使い始めたらどうなるか?
今後がとても楽しみな感じがしました。


 必要以上に「・・・しなくちゃ」と思ってしまうことはありますか?